2017.12.17
少子高齢化が進む日本では世帯収入を増やすため、現在核家族から拡大家族へ移行する家庭が増えているようです。
いわゆるサザエさん一家ですね。
そのため住んでいる住宅を建て増し、増築する工事も当然多くなってきていますが…
その増築ちょっと待ってください!ヽ(´Д`;)ノ
増築するということはそれだけ雨漏りのリスクも増えるんDEATH!
ということで、
今回は増築を繰り返して雨漏りが発生してしまった事例をご紹介します。
まずは屋内を確認してみましたところ、天井材であるジプトーンが一部だけ張り替えられていました。
丁寧にジプトーンを取り外して軒裏の下地を確認。
(ちなみにこの調査作業をいたずらに省いて外観だけで判断するリフォーム会社には工事を依頼しない方がいいです。)
ん~…なるほど。野地板がカビてますな。( ー`дー´)キリッ
幸い垂木や梁はそれほど被害を受けていませんでした。
ではでは、雨仕舞はどうなっているかな?と。
おもむろに屋根上に上ってみると
コーキングによる軒先封印。
ちょっと前のブログでもありましたので説明は以下略。
無理な増築をしたんでしょうなぁ…と感じざるを得ない構造です。
緩い勾配に対しての緩い谷。
そしてそれに取り合うスレート系の屋根。
これらがどのような事象を引き起こすかと言うと、文章では説明し難いので図に描いてみました。
Aに降り注いだ雨が重力によって流水。
適切な勾配なら水はB部で勢いが殺がれ、そのまま谷芯を伝って雨樋へ。
しかし、非常に緩い勾配なので上記の現象が起きず、ただただC方向へ流水し、あるいは風や水量によってはDの水返しを超えて雨漏り発生!
凡そこのようなプロセスだと判断しました。
何より雨漏りの恐ろしいところは一度このようなプロセスや侵入経路が出来てしまうと「轍」の様になりますので、延々と雨漏りが続いてしまうことです。
屋根をカバー工法で葺き直せば何てことないのですが、取り合いが多い関係上どこか手を付けてしまうと
連鎖的に他の面も葺き直さなければならなくなります。
勿論予算の都合もあるのでここは知恵を絞るところです。
職人さん達にも相談して、色々考えた結果がこの通りになります。
方針が決まったので再度、今回は職人さんと一緒に現場で役物の採寸をして工場で加工作業に入りました。
三度目の現場訪問で施術開始。
改めて屋根材を少しめくってみたら
谷板が中途半端な位置で納められていました。
これはAUTO。( ゚Д゚)⊃out-!
【釘打ち箇所がおかしい】←写真が小さくてごめんなさい。拡大して見てね。
これもAUTO。( ゚Д゚)⊃out-!
なんやかんやで出来上がりの構図です。
なんか…おれ写真の撮り方めっちゃ下手っスね…
と、とにかく大きな平板で直接の雨がかりを失くし、谷には水の勢いを殺ぐ帽子型の役物を取り付けたのでこれでしばらくは様子見です。(帽子型役物は強力なブチルテープで固定したので釘等は打っていません。)
勿論これで止まらなかったら止まるまで無償で、最後までお付き合いしていきます。
最後になりますが、確認申請を通さない増築工事では設計や施工中にも無理や矛盾が生じがちです。
増築は「悪」ではありませんが、設計の段階で心配なことは充分に打合せし、不安材料は解消しておきましょう。